昨日のテレビタックルで
動物園は虐待か、というテーマで討論が行われました。
まぁかいつまんで言えば動物園・水族園の擁護派はその元関係者で、対するは動物保護とかアニマルライツ系の運動をしている方々というラインナップ。
議論は動物園の中の動物は果たして幸せなのだろうかというニーチェが考えそうな深遠な?テーマから外を歩いて蟻を踏んだら虐待じゃないのかという低次元の話まで出ました。
日本ではシー・シェパード等のニュースの文脈が最近世論に支配的なので、動物保護運動家に対してかなり辛辣な印象を持っていると思います。そしてさっそくハム速でまとめられています。(ハム速という名前を冠しているのに動物には厳しいんですかね笑)
ところでシー・シェパードのイルカの保護運動をクレイジーだといいつつ、一方でそのへんの猫・犬に対する偏愛も並でないのが日本人の面白いところだと思います。この間高架下の猫を保護するニュースを見ましたがこれに税金の無駄を指摘している人がほとんどいないのも不思議です。
こういう件から見るに、動物に対して感じている集団的な感情は極めて曖昧なものなのではないでしょうか。以前から言ってるように猫は保護の対象だけどハクビシンは駆除の対象というのはとんでもなく恣意的な社会通念です。しかしこれがまかり通っているのは、それが論理的帰結だからではなく現状最も支配的な感覚だからでしょう。
というわけで、実は動物保護運動に論理はいらないのだと思います。残虐だと思うのなら残虐だと感じる事実を公衆に広め、とにかく支持者を増やしていく。猫を日本で殺してはいけないのはそれが日本で支配的な感覚だからでしょう。
個人的にアニマルライツ系の運動は(ここだけの話人権団体と違って)金にならないのだから、すべきことをしているだけというか、ある意味で立派な活動だと思います。アドバイスするとしたら、動物園のような支持者が多いものよりも、ペット産業とか化粧品の動物実験あたりの残虐性をソーシャルメディア等で地道に語っていったほうが運動としては実を結びやすいのではないでしょうか。