プログラミング 美徳の不幸

Ruby, Rails, JavaScriptなどのプログラミングまとめ、解説、備忘録。

スタートアップのインターン論

こういうサイトを見ると自分も昔、ベンチャーのインターンをやっていたことを思い出す。

ちょっと自分語りになっちゃうけど、だいたいこの業界に入ったきっかけは大学1年の春に、東大生x受験生の受験ポータルサイト(http://www.todainote.jp/)の立ち上げに、インターンという名の雑用で参加したのがきっかけである。そのとき自分はプログラミングはおろか、Internet Explorerしか使ったことがなくて、windows vistaを買って喜んでは哲学書とか人文系の本を読むという超ありきたりな文系スペックだったのだが、まぁベンチャーの世界は夢があって楽しそうだと思い(これは今でも思ってる)、google analyticsとかでPV集計してるのがかっこいいと思って、そこからスタートアップをやってみたいという意思が漠然と芽生えた。
そこから自分はケチだったので、エンジニアを雇うのがもったいないと思って自分でプログラミングを覚えようと思い、まずはgoogle chromeというブラウザのほうが使いやすいとか、キーボードは英字配列のほうがいいとか、そういうところから勉強したのが約3年前。
半年くらいはリテラシーの強化に使って、大学1年の冬にhtmlのタグを全部丸暗記した。(半分忘れたけど)

で、それからその受験サイトは人が伸びずに予算を削り、それに伴い自分もいつの間にか出入りしなくなった。
東大生にありがちな感じで本を読んでjavascriptとか勉強してたのが大学1年の春休み。勉強だけじゃよくないなと思ってそのときにエンジニアとしてARのアプリを作っているサムライ系の会社でインターンをした。

まぁエンジニアといっても、実際はコーダー以下で頑張ってjQueryとかでほんの一部のページを作ったり、excelの打ち込みとかをやってた。そこは月2万円で時給にするとたぶん200円くらいだったと思うけど、まぁ好きなことをやらせてくれて、たまにこれやってと仕事を振られるノリだった。まぁいま考えると半年いたのは長すぎだったかなと思う。

一方で、この時期に前述の受験ポータルサイトをやったときの大学の先輩が起業するというので、それの手伝いをエンジニアとしてやった。こっちのほうは塾のホームページ制作(これもコーダーのような仕事)とか、ECサイトの一部のページを作るとか、プログラミングはあんまりなかったんだけど、大学2年の夏に自社のサービスを作ろうという話になった。

そのときにフレームワークにDjangoを使おうとその先輩は言ったんだけど、僕はRubyのほうが日本で盛んなくらいはさすがに当時知っていたのでRailsにしようといってRailsで開発することになった。これがDjangoのままだったら今頃PythonistaどころかPythonに挫折してそのままノンプログラマーに戻っていた気がするからこれはプログラマとしてのキャリアの中で今のところベストプレイだったと思う。

まぁその学生ベンチャーも時給は500円くらいだったが、4ヶ月くらいRailsやってたら(別のところでバグを出すけど)言われた機能は作れる、くらいになったから時給が1000円くらいになった。

で、やっぱ学生だけあって所詮タカが知れてるのでいつの間にか自分が一番書けるようになった。それでは勉強にならないのでもっとちゃんとしたところでバイトしようと思ってブクペというサービスをやっているところで一時期バイトした。
ここはちゃんとしたプログラマがそれなりに出入りしていて、そこの中のKさんというフリーランスの人に誘われてさらに別のdesignclueというベンチャーでバイトした。この時点ではまだ時給1000円。

Kさんはさすがにフリーランスで食ってるだけあってかなり綺麗で無駄の無いコードを書いていた。それをかなり参考にしていま相当役に立っている。
そうこうしているうちに大学3年の夏になり、DeNAのインターンに参加した。そこで技術力を目の当たりにして、自分はまだまだだと思ったのだけど、そのあとにさきほどのKさんから仕事があると誘われてKさんから案件を受けるようになった。この時点で単位が10万円くらいになってきたので、普通のアルバイトよりは稼げるようになってきた。

で、まぁだいぶ長くなってきたのではしょるけど現状では普通の社会人よりは稼げるようになってきた。これは一時的なものである可能性はあるけど、まぁそれでも学生でこれだけ稼げれば御の字だろうという所には来たのは間違いない。

何がいいたいかというと、全く稼げない、言っちゃうと搾取されているような仕事を2年続けるうちに技術力もそうだけど判断力とか、話の真偽とかに非常に敏感な嗅覚が働くようになったと思う。だいたい学生でプログラミングがそれなりに出来るというと、たいていの経営者は搾取の対象にしようと狙ってくる。いま考えるとまったくプログラミングができないうちに時給200円とか400円はともかく、それなりにできるようになってから時給1000円はもったいなかったと思う。(当時は自分なんか全く素人に毛が生えたようなものだと思ってたけど、今から振り返ってそれはさすがに謙遜しすぎだったと思う)

もしこの経験をもっと社会人になったあとにしていたら、取り返しがつかないことになっていたと思う。さすがに修行とか成長とかいうキーワードに惹かれるのは大学生までであるべき。28歳くらいで脱サラにしてこういうことをやろうとしている人を見るたびに、自分は幸福だなと思う。

世の中に営業インターンだのエンジニアインターンだのいって、要するに学生をコマにする会社は山のようにあるけど、個人的にこれについて否定はしない。必要悪ではないか? どっちみち学生なんて絞られてない時間は飲み会だのサークルだの無駄な時間に使ってるんだから、絞られておいたほうがいい。これはいま絞る側の人間ではないから言えることで、ベンチャーのいわゆるインターンをやっている人を見ても何も言わない。言わないのは単に面倒だからというのもあるけど、自分でその組織を乗り越えることが必要なのではないか。