プログラミング 美徳の不幸

Ruby, Rails, JavaScriptなどのプログラミングまとめ、解説、備忘録。

SDGs準拠版桃太郎

昔々あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいた。おじいさんとおばあさんはお互い異性愛者であったが、同時にカップルのあり方の多様性に理解を持っていたため、婚姻関係にはなく、また子供の出産・養育に対しても前向きではなかった。

(註:おじいさん、おばあさんというカップルの固定観念を子供に抱かせないよう、導入箇所は入念に注意する必要がある。語り手は、カップルのあり方はおじいさん×おばあさんだけでなく、おじいさん×おじいさん、あるいはおばあさん×お姉さんなど、あらゆる組み合わせがあることを子どもたちに示唆しなければいけない)

 

ある日、おじいさんは山の開拓(柴刈り)を行う行政に抗議するため山に向かった。おばあさんは水産資源保護のため、川のゴミを拾いに行った。

 

(註:おじいさん、おばあさんは歩いてそれぞれ山、川に向かっている。移動手段が徒歩なのは、時代背景だけでなく炭素排出量がない移動手段をおじいさんとおばあさんが選択していることを子どもたちに示さなければいけない)

 

おじいさんが山に向かう途中、桃太郎と名乗る7~8歳ぐらいの子供と出会った。桃太郎は公立小学校のカリキュラムに耐えられず、数ヶ月で不登校になったという。なんでもこの地域には、家庭環境の都合から公立学校の勉強についていけない子供が多いらしい。

おじいさんは私塾を開き、彼らに教育機会を提供することにした。

 

(註:おばあさんが川で桃を拾うことで桃太郎が誕生する従来のエピソードは出産のメタファーであり、子どもたちに無意識に出産・子育てが女性だけの負担であることを刷り込むエピソードとなっている。

また、誰の子供かもわからない状態で届け出もなく勝手に養育する行為は未成年者略取が成立する可能性が近年指摘されており、子供の権利保護の観点から問題がある。
したがってSDGs準拠版では、従来の桃のエピソードを全面改訂し、戸籍・住居がはっきりしている子供に対して通いの教育機会を提供することとなった。

なお、桃太郎のプライバシー保護や差別の防止のため、この地域の詳細な地理情報を開示できないのは言うまでもない)

 

(以下略)