野望の王国の好きなシーンで打線組む
1. 敵対する暴力団を港湾施設に誘い込み大量虐殺(第1巻)
自分たちがやった殺人をもともと仲が良くなかった組の仕業にしたい→その組と抗争状態に→その組に濡れ衣をかぶせるため孤立化を狙う→援軍を片っ端から殺す、みたいな、けっこう遠回りなことしてます。
※ 編集の都合上、左→右の順になってます
2. 右翼の大ボス小田が小人と女を連れ込み乱痴気騒ぎを行う(4巻)
右翼の大ボスほどになると男でも女でも気持ちよければどっちでもいいみたい。
3. 東大助教授を恫喝&威力誇示のために駒場キャンパス時計台爆破(4巻)
助教授は以後政治家に転身し、2人の手足となり働きます。この駒場の教授煽りは何かに使えそう。
4. 川崎大騒乱(9巻)
製鉄所、石油コンビナート、自動車工場等を爆破。
競馬場で八百長騒ぎを起こして暴動を扇動する。
ここまでする動機が、「不当逮捕された親分を警察署から取り戻すため、川崎中で混乱を起こして警察のリソースを分散させたかったから」という、たったそれだけなのも評価のポイント。作中のハイライトだと思う。
5.川崎中央署長柿崎、教祖の足を舐める(11巻)
いろいろあって権力の後ろ盾を失いつつあった柿崎は新興宗教教祖の知己を得る。
力のためなら足だって舐める。
6. 県警本部長、柿崎の人脈に震える(12巻)
いろいろあっていつの間にか権勢を取り戻した柿崎は警察庁長官とも懇意にする。それを知らない県警本部長は柿崎を執拗に叱責して怒りを買う。
7. 小田の後釜立馬の奇行(17巻)
剣山の上に寝転ぶシーンも圧巻。
マルキ・ド・サドの小説にアペニンの隠者ミンスキーという、食人の大男で一日に何発も抜かないとしょうがないという怪物のようなキャラクターが出てきますが、まさにそんな感じで作中で一番好きなキャラかも。
8. 立馬、大神楽という吉田茂っぽい政治家宅を軍隊で襲撃
私兵を引き連れ〜、という説明なんですが、右翼の大ボスは自衛隊の中に派閥でも持ってるんですかね・・・。
9. 大神楽、力の差を見せつける
私邸までの公道にいろんなトラップが仕掛けてあって、軍隊は生き埋めにされます。この世界では吉田茂最強な設定になっている。
10. 結局なぜ野望を成し遂げるかについては言及されない
大好きな兄を倒してでも野望を達成するというテーマではあったが、結局野望とはなんなのか、なんのためなのかは全く触れられない。
惜しくも選考を外れた印象的なシーンの数々
・主人公らが東大教授に向かって、東大法学部に入学したのは人々を支配するためだと宣言するシーン
・ラスボスの宗教団体を壊滅させたあと、霞が関の官庁を見下ろすシーン
・立馬、私兵の中から裏切り者を見つけるために片っ端から拷問にかける。白状したら助けるといいつつ、結局棍棒のようなもので暴れちらし粛清する。
・小田暗殺のため病院の広範囲を爆破
・宗教団体の信者、教義のためなら刺されても撃たれても痛みすら感じず暴力団事務所を壊滅させる(※ オウム事件のだいぶ前の話です)
・教会神父に化けて柿崎が橘兄弟に復讐を仕掛ける
・橘、権力の差を見せつけ柿崎に土下座させる
・柿崎、警察こそ最大の暴力組織だと宣言して右翼団体を射撃、「全員逮捕しろ! 誰一人無傷のままにするな! 」は名台詞
・選挙で人気を獲得するため、列車事故を誘発させ脚本通り救出させる。
・赤寺、自身の出所で腕が鈍ってないことを示すために競馬で入着した馬を爆破する
・大神楽に反旗を翻す旗印に、料亭を延焼させる(なんのために・・・?)
備考
これの作者は美味しんぼの作者と同一人物です。